穴があったらこもりたい

【読みたい飾りたい】おしゃれな表紙の文庫小説8選

電子書籍が欲しいと思いつつ、なかなか手が出せない人で、
さらにその理由が、本の表紙を眺めるのが好きだからって人~!ハイッ(挙手)

ということで、

・文庫本で小説
・読んで、面白いと思ったもの(※重要)
・部屋に飾りたいと思ったもの

を条件に、個人的にグッとくる表紙の小説を紹介します。

(※本当は実際に部屋に飾って、写真撮りたかったけど、著作権とか気になるし、
手元にないものもあるので、amazonのリンク貼ってます)

探偵伯爵と僕

もう少しで夏休み。新太は公園で、真っ黒な服を着た不思議なおじさんと話をする。それが、ちょっと変わった探偵伯爵との出逢いだった。夏祭りの日、親友のハリィが行方不明になり、その数日後、また友達がさらわれた。新太にも忍び寄る犯人。残されたトランプの意味は?探偵伯爵と新太の追跡が始まる。
(「BOOK」データベースより引用)

絵具で描いたような、鮮やかな黄色の表紙は、
子供目線の日記風の文章+ひと夏の物語、という内容にぴったりです。

そしてその黄色に混じる、暗い色も内容とぴったり……

読みやすい文体で、さらに会話が面白いのでおすすめですが、
人や年代によって、読後感がかなり変わるラストです。

 

R62号の発明・鉛の卵

会社を首にされ、生きたまま自分の「死体」を売ってロボットにされてしまった機械技師が、人間を酷使する機械を発明して人間に復讐する「R62号の発明」、冬眠器の故障で80万年後に目を覚ました男の行動を通して現代を諷刺した先駆的SF作品「鉛の卵」、ほか「変形の記録」「人肉食用反対陳情団と三人の紳士たち」など、昭和30年前後の、思想的、方法的冒険にみちた作品12編を収録する。
Amazon商品説明より引用)

実は新潮文庫から出ている、安部公房の小説は、
全部同じテイストで、集めたくなるぐらいかっこいいのですが、
今回は短編集で読みやすいのと、私が「R62号の発明」が好きなのとで、
この小説を選んでみました。

「R62号の発明」は内容はもちろん、書き出しが今まで読んだ小説の中で、
いっちばん好きです。

ちなみに長編?だと「人間そっくり」が好きです。

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女王の百年密室(百年シリーズ)

女王が統治する幸福で豊かな楽園。不満も恨みもない世界で起こる空前の殺人事件。女王の塔の中で殺されていたのは…。完全なる密室。そして、完全なる犯罪。誰が、どうやって、何のために…?僕とパートナのロイディは推理を開始する。しかし、住民たちは皆「殺人」の存在さえ認めない。「密室」の謎、「百年」の謎、「女王」の謎、そして「神」の謎。“密室”の扉は、いま開かれる。新世紀=森ミステリィの黄金傑作。
(「BOOK」データベースより引用)

またまた森博嗣です。
異国情緒がある表紙は、主人公たちが迷い込む、
古風で幻想的な「ルナティックシティ」のイメージまんまです。

宮殿があって女王様がいるのに、しっかり未来でSFで、さらに哲学的。
主人公のミチルとロイディの掛け合いも面白い。

この世界観がたまらないです。旅モノが好きな人にもおすすめ。

ちなみにシリーズで、3作あります。最終巻はかなり難易度高めですが。

 

アンドロイドは電気羊の夢を見るか?

長く続いた戦争のため、放射能灰に汚染され廃墟と化した地球。生き残ったものの中には異星に安住の地を求めるものも多い。そのため異星での植民計画が重要視されるが、過酷で危険を伴う労働は、もっぱらアンドロイドを用いて行われている。また、多くの生物が絶滅し稀少なため、生物を所有することが一種のステータスとなっている。そんななか、火星で植民奴隷として使われていた8人のアンドロイドが逃亡し、地球に逃げ込むという事件が発生。人工の電気羊しか飼えず、本物の動物を手に入れたいと願っているリックは、多額の懸賞金のため「アンドロイド狩り」の仕事を引き受けるのだが…。
Amazon商品説明より引用)

なんかもう持ってるだけで、自分もかっこよくなった気がします。
というか題名がずるい。かっこよすぎ。

内容はわりと考えてしまうというか……
見た目は人間そっくりで、共感性もあるアンドロイドは、もはや人間なのか?
共感性がない、人間らしくない人間はどうなるのか?

1968年の小説らしいですが、面白いです。

ちなみにハヤカワ文庫SFでは、
他にも似たような、かっこいい表紙の小説がありますよ。

 

銃とチョコレート

大富豪の家を狙い財宝を盗み続ける大悪党ゴディバと、国民的ヒーローの名探偵ロイズとの対決は世間の注目の的。健気で一途な少年リンツが偶然手に入れた地図は事件解決の鍵か!?リンツは憧れの探偵ロイズと冒険の旅にでる。王道の探偵小説の痛快さと、仕掛けの意外性の面白さを兼ねる傑作、待望の文庫化!
(「BOOK」データベースより引用)

児童文学的な雰囲気で、実際ひらがなが多く、ちょっと読みづらいです。
が、途中から結構容赦ない展開です。

子供向け?なのに辛辣。
まさにこの、チョコレートなのにギラギラした表紙にぴったりです。

さらに個性的で、なんだか美味しそうな名前のキャラクターにも注目。

 

スカイ・クロラスカイ・クロラシリーズ)

僕は戦闘機のパイロット。飛行機に乗るのが日常、人を殺すのが仕事。二人の人間を殺した手でボウリングもすれば、ハンバーガも食べる。戦争がショーとして成立する世界に生み出された大人にならない子供―戦争を仕事に永遠を生きる子供たちの寓話。
(「BOOK」データベースより引用)

またしても森博嗣です。好きだからね、しょうがないね。
そして「スカイ・クロラ」ですが、これもシリーズで、6作あります。

そしてそして表紙ですが、一色です。清々しい。かっこいい。
内容も戦いの話なのに、淡々とした日常が印象的で、
この単色の表紙に合ってると思います。

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ムーミン谷の彗星(ムーミンシリーズ)

長い尾をひいた彗星が地球にむかってくるというのでムーミン谷は大さわぎ。ムーミントロールは仲よしのスニフと遠くの天文台に彗星を調べに出発し、スナフキンや可憐なスノークのお嬢さんと友達になるが、やがて火の玉のような彗星が…。国際アンデルセン大賞受賞作家ヤンソンの愛着深いファンタジー
(「BOOK」データベースより引用)

ムーミンシリーズ1作目です。ちなみに全9作あります。

ムーミンはイラストが素敵なので、どの小説もかわいいのですが、
私は講談社文庫の新装版が好きです。
背表紙までおしゃれで、1冊買ったら全部揃えたくなります。おすすめ。

内容も、個性的なキャラクター、
中にはちょっと自分勝手だとか、めんどくさいキャラクターもいますが、
みんな受け入れられている、優しい空気感が好きです。

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死神の精度

CDショップに入りびたり、苗字が町や市の名前であり、受け答えが微妙にずれていて、素手で他人に触ろうとしない―そんな人物が身近に現れたら、死神かもしれません。一週間の調査ののち、対象者の死に可否の判断をくだし、翌八日目に死は実行される。クールでどこか奇妙な死神・千葉が出会う六つの人生。
(「BOOK」データベースより引用)

アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」とかと並べたい感じの、かっこいい表紙ですが、
内容はハードボイルドではなく、ちょっと軽めの短編集です。
死がテーマでもあるので、軽めと言っていいのかわからないですが……

しかし、死神の千葉さんのキャラクターや、ちょっと笑える場面などが魅力なので、
空いた時間や、休憩の時間におすすめです。

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ちなみに続編の「死神の浮力」は長編です。こっちも面白い。

 

まとめ

 本当はもっと紹介したかったけど、
知ってる小説全部紹介してしまいそうなので、この辺にしときます。
(つまり全部良き)

 

……ちなみに「女王の百年密室」の世界(2113年)では、
図書館は、情報を検索するネットワークの名前で、本はデータ。

紙の本は、記念品か贈答品としてしか製造されず、高級品。
絵画のように飾るのが普通で、読むことはもちろん、収納されることもないそうです。

現実の未来でも、そうなるかもしれないし、
そういう形で、本と素敵な表紙が残るのもいいなぁと思ったけど、
やっぱりしばらくは、紙の本をペラペラめくりたいと思ったり。

でも電子書籍も良さげなんですよね~、うーん(迷)

 

↓表紙つながりで、良ければこちらも……

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